穿刺は透析治療で最も欠かせないスキル

看護師が透析治療に携わる際に、何よりも重要で難しいスキルといわれているのが穿刺です。透析治療が上手くいくかどうかは、穿刺によって決まるといっても過言ではありません。そのため、透析看護師は穿刺がきちんとできてこそ一人前だといわれています。穿刺と似たような業務として採血や点滴がありますが、それらとは要領がまったく異なるため、初めて穿刺に携わるのであればきちんと練習することが大切です。

穿刺は何よりも、針が太くて長いのが特徴といえます。採血や点滴などの針とは姿かたちが違うため、まずは穿刺用の針に慣れる必要があるでしょう。いきなり患者に対して穿刺をするのは難しいので、練習用の血管モデルを用いて練習するのが一般的です。初めて穿刺を行うときには、比較的針を刺しやすい患者に対して行うことが多く、一度穿刺を患者に対して行ったのであれば、それ以降は多くの患者に実践あるのみとなります。

穿刺で刺す血管には、採血や点滴の際とは違う血管のシャントを利用するのが常です。シャントは太くて多くの血流を運ぶことができる、透析治療専用に造られた血管のことを指します。シャントは人によって形状や場所が違いますので、患者一人ひとりに合わせた刺し方をしなくてはいけません。また、透析治療をする患者にとってシャントは命を繋ぐものであり、できることなら失敗は避けたいものです。先輩や上司にしっかりと教えてもらいながら丁寧に穿刺を行っていくことで、ゆくゆくは一人前といわれる透析看護師になれるでしょう。